Tentative

おもしろいとおもったことをもう一回かんがえるせいりするまとめる

自炊についてかんがえてみた:前編

00. はじめにの前に

 

この記事は「料理をする」ほうの「自炊」について、だらだらと考えた記事です。

 

 

0. はじめに

 
男の自炊はモテるという情報は都市伝説のように存在します。「料理できる」ということが、モテるモテないの決定的な要素にはならないことは明白ですが、もし、モテるモテないが加算方式による総合評価落札方式であれば、多少なりとも得点にはなりそうです。ただ、その場合、かなりの腕前(店出してもおかしくないレベル)でかつ、おしゃれな料理を出さないと確実には得点になりません。普通レベルだと、ヘタすれば失点にもつながりかねません。気をつけてください。
 

 

1. 自分と自炊の馴れ初め

 
自分は「ものをつくる」ということが基本的に好きでたまらない人間だと思うのですが、その中でも一番長く続いているものは「自炊」だろうと思います。そもそも料理をすることには興味はありました。幼少の頃、居間の本棚にはレシピ本が何冊かありました。父親が独身時代に手に入れたであろう基本的なもの、母親が献立の幅を広げようとして購入したもの…。ぼくはそれらレシピ本を見るのが好き(特に写真ではなくイラストで工程を説明しているものが好き)で、暇があってはそれらの本を読み返していました。一人暮らしを始めたときに自分のためのレシピ本を買った時は嬉しかったものです。クックパッド全盛期の今でも、気を抜くとレシピ本をたくさん買ってしまいそうになります。本屋マジ危険。
 
(余談:イラストで表現された料理が好きなのは間違いなく、藤子不二雄先生の「ドラえもん」が原体験としてあるからでしょう。漫画に出てくる料理の美味しそうさは異常。ただ、将太の寿司華麗なる食卓のようなリアル描写ものではなく、やはり藤子先生の必要最小限の線で描画された料理は最高。今だにのび太の海底鬼岩城に登場する「海底クッキングマシーン」(材料が全て海中のプランクトンで賄えるという素敵さ)で作られた料理が世界で一番食べたい食べ物です。)
 

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スネオにいい肉と言わせるほど美味「海底クッキングマシーン(画像はこちらから拝借)
 
そのようにレシピ本を眺めていた調理待機児童の私は、親から包丁を持たせてもらえる許しを得て、もしくは学校の調理実習の時間を迎えて、やっと料理をさせてもらうことになります。妹もいましたから、お菓子作りをすることもありました。
それから数年後、「料理をさせてもらえる」立場から「料理をする」立場へと変わった、つまり「自炊」が始まったのは、大学進学と同時に始まった一人暮らしからでした。美味いか不味いかは別として料理という「ものをつくる」行為の楽しさや、冒頭の「料理ができる男はモテる」という迷信を思い込んだりなど、様々な想いや感情を抱きなから始まった「自炊」は、途中で様々にとまどい、傷つき、誰にも打ち明けずに悩んでいた時を経て、現在もまだ続いています。
 

 

2. 自炊の価値について

 
さて、世の中には
 
  • 自炊をする人(以下、自炊派)
  • 自炊をしない人(以下、外食派)
 
という二種類の人たちが存在するわけですが、自分が思うに、
 

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  • 自炊派「自炊は健康的だし、節約できる」
  • 外食派「自炊ってめんどくない?マクド行ったほうが安ない?」
 
といった意見をそれぞれお持ちです。
 
自炊派が掲げる「節約」そして「健康的である」という絶対的な旗印。「節約」!「健康」!日本人大好き!ぼくも!君も?わたしも!
 
自炊派はこの二枚看板を武器に正論を述べてくるので太刀打ちできません。
 

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しかし、よく考えてみると、この二枚看板、存在感はすごくても、どうも定義が曖昧な気がします。あたり前な話、これらの定義は個人によって様々だからです。どこからどこまでコストカットできるから「節約」なのか、何種類の食材を一日に得られたら「健康的」なのか、それらの線びきは人それぞれです。
 
なので、この記事上における「健康的である」と「節約」という価値の定義を決めておきます。ここをはっきりさせてから話をしないと、伝わるもんも伝わりません。
 
「健康的である」の定義
いきなりであれですが、この記事では「健康的である」という価値そのものを一切無視します。栄養素、カロリー、緑黄色野菜、マゴワヤサシイ、そんなもんしらん!健康的な食生活を送りたいから自炊してるわけやないんや!お腹が空いたから食べるだけなんや!俺の健康=満腹や!(暴論)
 
「節約」の定義
「お店で食べたパスタが1000円したけど、家で作ったら材料費400円ぐらいだったー」
といった類の節約はガン無視します。
 
「電気ガス料金も滞納し、次のバイトのお金が入ればなんとか凌げる。しかし、財布にはもう1000円しかない、これであと10日間生き延びていかなくてはならない..」
といったような危機を乗り越えられて初めて「節約」とします。
なので、先ほどの「1000円のパスタ〜」のくだりは、この記事では節約とはいいません。(今回の記事ではそういった数々の危機を乗り越えてきたサバイバーなTipsを紹介するわけではありませんので、あしからず。)
 
まとめます。
  • 「健康的である」 ---> 価値自体を無視
  • 「節約」 ---> 食費を¥100/日以下
 
それでは、個人的に思う「自炊」についてまとめていきたいと思います。
 

 

3. 自炊はコストがかかる

 
先述した外食派の意見ですが、
「自炊ってめんどくない?マクド行ったほうが安ない?」

 

これは全くもって正しいです。否定の余地がありません。自炊にもそれなりに金銭コストと、労働コスト(めんどいか、めんどくないか)がかかっているんです。

例えば金銭コスト。これが自炊のどこにかかっているのか、説明するほどのことでもありませんが一応書き出すと「材料費」「光熱費」、そして「機材費」です。

ざっくりまとめておきます。 
 
「材料費」 -- (基本的に)外食より金銭コスト高め
言わずもがな、料理の素となる材料にかかるお金です。自炊の金銭面について取り上げるときに、一番重要視される点です。重要視されるあまり、他の「光熱費」「機材費」を見えなくするほどです。基本的に、外食より金銭コストは高くなります。
たとえば、ファミレスで、ハンバーグのプレートが単品で400円だとして、そのプレートには、ハンバーグ本体、それにかかっているソース、そして付け合せの人参のグラッセとポテトフライが鎮座しています。これと同じ内容のものを家でつくろうと、スーパーに行ってイチから材料を買って作ると、ほぼ確実に材料費400円はオーバーします。
 

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 マクドナルドではハンバーガーが100円です。100円であれと同じものを自炊でつくろうとして実現できる人は果たしているのでしょうか。
 
「光熱費」 -- あんまり考えないが、確実にコストは発生している
調理する際に使用する電気ガス水道代です。1日単位では小さい額なので見落としがちですが、自炊していない月と毎日自炊を続けられた月では明確に光熱費の請求代金は違います。
 
「機材費」 -- 「安かろう悪かろう」なので、結果的に高くなる
鍋、包丁など、調理する際に使用する調理器具全般です。ついつい買いすぎてしまったり、逆に何を買っていいかわからなくなることもあります。「自炊を始めよう!」と準備を始めても、思いのほか、買い揃えなくてはいけないからお金もかかるし、収納場所にも困ってしまう‥なんてことが発生します。
 
自炊ではこれだけの金銭コストがかかっており、それらは決して安くない、むしろ高くなる、という現実がそこにはあります。
 

 

4. 自炊はめんどくさい

 
自炊は料理を作るという労働コストが発生します。つまり、めんどくさいです。コレにつきます。メニュー開いて注文したら、料理が運ばれてきて、食べたら終り、とはいきません。
 
材料買ってきて(米重い)、
下ごしらえして(玉ねぎ切ったら目がしみる)、
調理して(火元あついキケン)、
盛りつけてご飯食べたら、食器や調理器具を洗って(油汚れガンコ)片付ける。
 
とてもめんどくさいのです。労働コストは相当高めです。実家でご飯を作ってくれていた親に感謝しましょう。
 
以上から、「自炊ってめんどくない?マクド行ったほうが安ない?」は正論といえます。
 
 
 
中編につづきます。
 


自炊についてかんがえてみた:中編 - Tentative